2024年2月11日日曜日

此経を持ん人 は 難に値べしと心得て持つ也。

 四条金吾殿御返事 此経難持事。抑も弁阿闍梨が申し候は、

貴辺のかたらせ(語) 給ふ様に持らん者は、現世安穏後生善処と

承りてすでに去年より 今日まで、かたの如く信心をい たし申候処に、

さにては無して 大難雨の如く来り候と云云。真にてや候らん、

又弁公がいつはり にて候やらん。いかさまよきついでに不審をはらし奉らん。

法華 経 の文に「難信難解」と説き給ふは是也。此経をききうくる人は多し、

 まことに聞受る如くに大難来れども憶持不忘の人は希なる也。 

受るはやすく持はかたし、 さる間成仏は持にあり。此経を持ん人 は

難に値べしと心得て持つ也。「則為疾得無上仏道」は疑なし。

 三世の諸仏の大事たる南無妙法蓮華経を念ずるを、持とは 云也。

経に云「護持仏所属」といへり。

天台大師の云 「信力の故に受け、念力の故に持つ」云云。

又云「此経は持ち難し、 若し暫くも持つ者は我即ち歓喜す、諸 仏も亦然なり」云云。

 火にたきぎ(薪)を加る時はさかん也。大風吹ば求羅は倍増する 也。

松は万年のよはひを持つ故に枝をまげらる。 法華経の行者は火と求羅 との如し、

薪と風とは大難の如し。 

法華経の行者は久遠長寿の如来也。修行の枝をきられま げられん事疑なかるべし。

此より後は此経難持の四字を暫時も わすれず案じ給べし。〇恐恐。

 日蓮


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